FIVE COLOR[S]INK ⼀級建築⼠事務所|⼤阪市⻄区北堀江

BLOG

【建築家    所長のきろく】

僕の想い 10年前の記録 学生諸君そして駆け出しの建築人たちに①

こんにちわ。
いま非常勤講師をしている専門学校で以前はTA(ティーチングアシスタント)をやっていた頃がありました。
3年間ほどでしょうか。そのTAを辞めるにあたって学生諸君に向けて書いた文章が見つかりました。
どうやら当時学校を卒業して7年ほど経っていた様で、このころの僕は働いている事務所を辞めようと
所長に話をした頃だったように思います。

そんな時期だからこそ学生やこれから建築をスタートさせる後輩たちにメッセージを送りつつ
自分のこれからのことを重ねながら書いたように思います。
しかもシリーズで書いていました。

いま読んでみると若かりし日々の自分に赤面しつつ、でもいまでのその思いは持ち続けている自分にも気付きました。

改めてこれから建築を志す学生諸君、新人諸君に送ります。すこし加筆・修正しました。
雑談程度に読んで頂けたらこれ幸い。    建築家 中島崚真

#大阪 堀江の設計事務所はFIVECOLOR[S]INKで住宅設計から店舗デザインまでアイデアが溢れます。
#関西 #建築設計事務所 #アイデア #idea #architecture #design 



★★★★★★★
務めている事務所で最近後輩たちによく言う言葉があります。

「自分自身はいったい何がしたいのか。」
「問題を解決するストーリーを自分なりに展開させているか。」
「目的を達成するためのシナリオはどう描いているのか。」

 人は自分に対してそうしようと思っていることやその時の理想像を相手に置き換え、繰り返し発言するようです。
学校を卒業して7年目。悔しい涙を流したこともありました。腰のあたりで小さなガッツポーズをして喜びを噛みしめた場面もありました。
そのいくつもの経験の中で、僕自身が掴み取った自分に対する「問いかけ」であり、そしてその「答え」が上の言葉たちなのだと思います。

色んな人々が絡み合い、さまざまな思惑が交錯し、表れては糸口を見つけて処理し、処理したかと思ったらまた表れる問題や困難。
その答えは無限にあり、ゴールへの道も数限りなく存在する。その苦難の崖の先にある甘い蜜は、自ら果敢に攻め、頂きに上った者にしか手にすることは叶いません。

一生懸命にタクトをふり、汗をかいてオーケストラをまとめ上げ、素晴らしいハーモニーを奏でるからこそ
歓喜のスタンディングオベーションが受けられるのだと思います。
そしてまたそれは何かに一心不乱に没頭する姿、周りの者や観ている者を喜ばせてあげたいとの想いが人を魅了するのだと感じています。

今の僕はたとえ、その答えが間違っていたとしても、多くの人に避難されようとも「自分ならば・・・」という強い意志がかならず必要なのだと確信しています。
今の世の中にはそんなものが薄れているような気がしています。

教育においても同じことを感じます。
建築の教育はこれからどこへ向かうのでしょうか。我々先達は何をすべきなのでしょうか。学生を育てる母体が明確に方向性を見いだせていないのは、
学生にとってあまりのも不利益です。

TAとして3年間お世話になり、建築を学んだ我が母校への憂いとともにOBとして何か出来ることはないのだろうか。
そう考えるようになりました。

そしてそれを受け取る側の学生諸君にももっと夢を持ち、そしてそれを掴もうとする力を身に着けて欲しいと思います。
多くの学生はとりあえず建築士の資格を取れれば、と言います。
建築士の資格がどれほどのものでしょうか。

司法試験に合格して検事になったり、弁護士になる。医師免許を取得する。
でも世の中には腕のいい医者もいれば、首をかしげたくなる方もいます。
弁護士でも優秀と言われる人もいればそうでない人もいます。

車の運転だって、免許を持っている人でも運転が上手い人、下手な人、ペーパーもいます。
建築士は資格であり、それ以上でも以下でもありません。
建築士の資格を取得する事は人生の目標ではないし、目的にもなり得ません。
建築を志す者がその能力を使う上で必要な資格。ただそれだけです。

最初に書いた問いを自分なりに解釈して前に前に進んでいってほしいと思います。
僕の思いです。