FIVE COLOR[S]INK ⼀級建築⼠事務所|⼤阪市⻄区北堀江

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【店舗設計   けんとうの巻】

▽過去の設計・デザイン事例③ 住宅や店舗にも出来る宿泊所

いよいよ梅雨明けですね。いや、もう明けたのか?そんな空模様です。
こんにちは。
今日は私達が過去に設計した事例を紹介しますよ。(・ω・)ノミテケロ

「そのまま住まいにもなるし店舗も出来る宿泊施設」

住宅街の一角にちょ~古い建物がございましてね。ちょ~古いってどれくらい古いかというと
2度の世界の大ゲンカを経験したくらい古いです。(´・ω・)ワカルカナ

時は大正、大むかし。
民衆みんなで大忙し。
これが世に言うデモクラシー。

変事の風が吹き荒れて、
米がないよと大騒動。

政治に文化に経済に、
焼き討ち起こってさぁ大変!

えぇらいやっちゃ、えぇらいやっちゃと右往左往。
呑めや踊れやの大混乱!\(゜ロ\)(/ロ゜)/

ニッポン全国巻き込んで、
にぃさんねぇさん大騒ぎ!

望郷の想いが沸き起こり、
とうちゃん、かぁちゃん元気かな。

この先ニッポンどおなるの。
知ったことかと知らんぷり。

民衆みんなで大忙し。
これが世に言うデモクラシ~(´Д`)

と、いうことで、大正時代に出来た建物です。長屋です。5軒長屋の角。

     


この長屋をお持ちのお客様はもともと住まいとしてのリニューアルを考えていたのですが、
何かと忙しくてなかなか手を付けることが出来ず、しばらく放ったらかし状態になっていたそうで。。。
そろそろ重い腰を上げねば、、ということで弊社にご相談がありました。

宿泊施設をしてはどうかとの話から、打合せが盛り上がり、場合によってはカフェや週末レストランなどが
出来るような楽しい計画にしませんかと提案。
またイイ具合に裏に空き地があったので、そこを購入していただいて、さらに計画の幅が広がりました。(´・ω・`)
ゴミなども散乱してかなり荒れた状態でしたが、近所の方が空き地の中央に桜を植えていて、これが育っている。
ならば桜を活かして何とか計画できそうだなと可能性を感じたので、思い切って購入していただきました。



⇑荒れ放題の裏敷地

「デザインテーマは建築の多様性と時代を渡る」

不特定多数が利用するということで、構造を見直す必要もあるので、建物を一旦骨組みだけにして、状態を確認。
そこから新たに木造の骨組みを起こし、外皮と内部空間を分ける計画をしました。
つまり、既存の構造体の中にさらに構造体を入れこもうという作戦です。
これによって、既存の骨組みは自重と屋根を、新規の骨組みは2階の床を持たせて荷重を分散させました。



  
⇑解体した状態


  
⇑新しい骨組み


デザインのテーマは、建築物が大正生まれなので、その中の空間を昭和の匂いのする仕上材で覆い、
そして平成(当時)に生きる我々が未来(令和)に残していく。としました。
建築は我々人間と共に生き、成長し老いていきます。利用する人たちに無意識のうちに歴史感を感じて欲しいと考えました。


  
⇑イメージパース(坂本氏)※坂本氏については、別記事(建築パースペクティブ!)を参照


外壁はボロボロの錆びたトタンや土壁のまま。雨漏りがないかをチェックして補修程度に留めました。
ここでは、このボロボロの壁を、「キレイな」化学製品外壁材に安易に変えない。という選択をしました。
補修をしつつ、出来るだ土壁や漆喰を保存。余計なことは極力避けました。
新しいものに変えるというのは簡単ですが、時代を超えて風雨に耐えてきたこの外壁たちを多くの方に見て欲しかった。
見て「げ!ボロボロじゃん(・´з`・))って素直な気持ちを嘔吐することで歴史を感じて欲しかったのです。


  


内部は1階をみんなが集まる場所と想定してオープンな計画。玄関土間から反対側の台所が見通せます
壁には象徴的な花柄のクロスを貼って、外壁の錆との対比を意識しています。(・_・)ハナノイノチハミジカイ
その花クロスから覗く梁は新旧それぞれ色が違っていて、それがそのままデザインになっています。

玄関へのアプローチは裏手の庭から。建物横の細い路地を通って庭へまわり、そして玄関へ
もともとの玄関は路地に面していましたが、そこは台所勝手口としました。
玄関扉は3枚のガラスが入った框引き戸。気持ちのいい季節には開放してしまえば、
庭~土間~みんなの集まる広間~台所と縦に繋がります


  


    


「2階は構造体をそのまま現す」

階段を上がると両側に襖。
どちらも畳の和室が広がります。
2度の大戦を潜り抜けたこの建物をじっと支え続けた彼らを見てほしかったので
丸太ん棒の太鼓梁をあらわしで見せました。最近ではよく見かける方法ですが。
特に庭に面した和室はそっと窓を開け、敷居に座って風を感じ、悠久の彼方に思いを馳せます。

台所、洗面、トイレ、浴室が住宅レベルでしっかりと設置されているのでそのまま住まいとして使用できます。

また、台所は土間になっていて、ハイカウンターがあり、カフェとしての利用も可能。
キッチン設備をもう少しグレードアップすれば、週末のイタリアンレストランとして使い方も出来るかなと。
春や秋に庭で食べるイタリアンは最高だろうな~~。(´Д`)アコガレルナ~


    


「建築の面白さは無限大」

新築、リニューアル、リノベーションに関わらずしっかり計画を立てて、プランニングすることで、
創り出された空間は多様性が生まれて豊かになります。

もともとそこに住んでいた人がいて、また新たに住む人や使う人がいる。時代が流れて人が変わっても
眼には見えない思いが滲み込んだ建物はずっと変わらずにこの地球上に建っている。木造でもこうして100年を超えて
しっかりと今の我々に受け継がれていることを知ると、改めて自分たちが関わている計画をこの先100年
超えて残さなければと考えるのです。(>_<)ヤレバデキル!!

目新しいものや「キレイな」物もイイけれど、本物を感じる目や心を磨くことで、よりよく豊かな空間を
作って行くことが出来ると思いますね。  中島崚真

完成時に工事の変遷を写真で展示してオープンハウスを開催。多くの方に来ていただきました。
当日は地蔵盆が近かったこともあり、スイカとドリンクで夕涼み会をしました。


      


  


★設計事例
https://fci-design.com/works

▽過去の設計・デザイン事例① ダンススタジオ
https://fci-design.com/blogdetail?wgd=blog-18
▽過去の設計・デザイン事例② esportsスタジオ
https://fci-design.com/blogdetail?wgd=blog-34


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