FIVE COLOR[S]INK ⼀級建築⼠事務所|⼤阪市⻄区北堀江

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【ナカシマリョウマのくだらない話】

昭和男のハートブレイクスプリング


2年ほど前から鼻うがいを始めて以来、花粉症の症状が例年よりも軽い気がする。
「気がする」というのは、これはその年の花粉の量など毎年状況が変わるが故に
単純に鼻うがいのお陰だ!と大手を振って街で叫べない事情のせいである。
今年の症状が軽いのは花粉が予報よりも少ないのか、ホントに鼻うがいが効いているのか。。
まだ私の中では判別が付かないでいる。

ただ、仮に花粉症が完治したとしてもさすがにそれを街中では叫ばない。
むろん愛も叫ばない。
オーストラリアのエアーズロックに行けばもしかしたら愛を叫ぶかもしれない。
いや、私の中ではエアーズロックは世界の中心ではないので愛を叫ぶことはないだろう。

しかしながらヤッホーとは叫ぶだろう。確実に叫ぶだろう。
なにせ私は昭和生まれだからだ。

昭和生まれの日本人はとりあえず高いところに登るとヤッホーと叫ぶ習性がある。
これは山や丘など自然の中に限ったことではない。
都会に出てきて高いタワーなんかに登るとヤッホーと叫ぶのである。
まったくもって法律なのか規則なのか道徳なのかエチケットなのかわからないが、
昭和生まれの日本人は高いところに登ったらヤッホーと叫ばなければならないと
教科書で習ったごとくにヤッホーと叫ぶ。

小学生のときからの習慣は恐ろしいもので、大人になっても高いところでヤッホーと
叫ばないとどうも落ち着かないものである。
しかしさすがの私も都会の高層ビルや高いタワーの展望台で大勢を前にいきなり
「ヤッホー」と叫ぶほど田舎者ではない。
叫びたい、叫びたくない。叫びたい。叫びたくない。
好き、嫌い、会いたい、会いたくない。。。。
と、昭和歌謡に出てくる大人になる一歩手前の少女のような心模様を繰り返し、
サザエさんのように「んが、ごご。。。」とその衝動を心の奥底に飲み込むのである。

いやちょっと待てよ。
さきほど私は田舎者ではないと断言した。。
田舎者ではないから叫ばないのだと言った。
しかしこうも考えられる。
そう。私は都会に染まってしまったのだと。都会暮らしもずいぶんと長くなった。
いつのまにか都会の色に染まった私はいつしかヤッホーと叫べなくなったのだ。
まさに、俺たち都会で大事な何かを無くしちまったぜ。とジュリアにハートブレイクである。

そうかジュリアと私の関係はこの都会に来て変わってしまったのだ。
愛を叫べないのではないんだね。ジュリア。。
世界の中心がどこかわからなくなったんだね。ジュリア。。
僕はいつしか見失っていたんだね。ジュリア。。
オーマイ、ジュリア、、覚えているかい、俺たち見てた夢。

都会の喧騒に汚されてしまった僕たちの心はいつしか離れていってしまったんだね。


心の中が汚されたついでに鼻の中も汚されて花粉症さ、ジュリア。
ロマンティックが止まらないし、涙も鼻水も止まらないよ。花粉症。
オーマイ、ジュリア。ハートブレイクでロマンティックな花粉症さ。
愛もヤッホーも叫べない、そんな昭和男の心はまるで桜の花びらさ。
オーマイ、ジュリア、、ラストダンスはひとりじゃ踊れない。
あ~俺のジュリア・・・・


桜の開花と共にいよいよジュリ・・・いや、春がやってきた。
街には新入生や新社会人で溢れてる。
出発の春、新たな季節。4月がいよいよ始まった。希望にあふれた4月が始まった。
ジュリアのところにも春は来ただろうか。
そんな昭和男のハートブレイクスプリングである。


花粉症の症状が軽い理由は分からないがとにもかくにも楽なのである。
もしかしたらほんとに鼻うがいの効果があるのかもしれない。
花粉症の皆様、鼻うがいはいかがでしょうか。
うがいといっても鼻で「ゴロゴログジュグジュ、ペッ!」と
そんな器用なことをするわけではありません。


では皆さま、元気にがんばっていきましょう。



中島崚真