FIVE COLOR[S]INK ⼀級建築⼠事務所|⼤阪市⻄区北堀江

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【ナカシマリョウマのくだらない話】

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我が母校にて非常勤講師として働きだしてもうかれこれ10年近くになるだろうか。
卒業後すぐにティーチングアシスタントとして呼んで頂き3年やった後、
しばらく5年ほど間が空いてまた非常勤講師として呼んで頂いた。
その5年の間に私が師事した先生方は引退されたかもしくは辞められたかのどちらかで、
学校の体制も大きく変わっていた。

私が教えているクラスは夜間コースなので昼間に社会人として働きながら
夜に建築を学びに来る学生がほどんどで年齢も10代ではなく20代から30代。
時には私より年上の学生さんもおられるというバラエティーに富んだクラスなのだ。

社会を経験してからの再チャレンジ組ということで学生さんたちはみな一様に個性に富んでいる。
いろんな思いで学校で建築を学んでいる。

10年やってきて最近思うことはクラスの学生に女性が増えた。ということだ。
私が学生の頃は女性は2割程度だったし非常勤講師をやりだした時もまだ男性の方が圧倒的に多かった。
しかし今はどうだろう。女性の方が半数を超えて多い。コースに分かれて行う私が受け持つ講義も7割が女性。

いまでこそ女性建築家として活躍されている方々は沢山いるし、テレビや雑誌などでも多く紹介されているが
昔は建築と言えば男の仕事というイメージも強く、実際、巨匠と言われる建築家の先生方もほぼ男性である。
女性建築家やデザイナーが活躍しているのを目にする機会が増え、より一層憧れを持つ同性も増えているのかもしれない。

別の理由として、「設計」というものが昔に比べて「お手軽になった」ということもあると思う。
専門的なことを勉強していなくても専用ソフトを使えばだれでも住宅の簡単な設計図は描けるし
実際に使う建築の材料なども扱いやすくなっており、建築業界はどんどん門戸が開いている。
「ザ建築!」「ザ巨匠!」といったような重厚な空気感がどんどん薄れ、軽やかな雰囲気をまといだしている。
つまり老若男女問わず仕事として関わりやすくなったということなのだ。

それにインスタグラムなどSNSで多くの著名人が自宅を紹介し、その中でデザインがどうとか間取りがどうとか
こだわった箇所の話をすることもあり、きっと「設計」や「デザイン」がより身近に感じれる場面が増えたのだろう。
そういったものには比較として男性よりも女性の方が相対的に敏感で反応が早い。

建築設計、インテリアデザイン、インテリアコーディネート、インテリアレイアウトと
昔はまったく別もの扱いだったものがいまではその境界線はあいまいになってきている。
同時にプロとアマチュアの境界線もだいぶぼやけてきた。
その傾向は建築界に限らずますます加速している。

そんな時代に講師として何を語れるだろうか。彼らは何を学びたいだろうか。

これまでの価値感の上に新しい感覚でペイントすることが肝要だと考える。
新しい時代を想像するとワクワクする。新しい自分にワクワクする。
そうか、このワクワク感はきっといつの時代も変わらない。

彼らには ワクワク を語ろう。


ワクワク建築家 中島崚真